発電機
エンジン発電機は、用途によって常用と非常用、そして移動用に分類されます。
離島や過疎地など電力会社から給電やそのための負担コストがかさむ場合は、エンジン発電機を常用で使用します。
また、受電契約を低く抑えるためのピークカット用やコージェネレーション用にエンジン発電機を常用電源として使用します。
これらは、「発電所」としての取り扱いを受けます。
非常用発電機は、人の命を預かる病院や多くの人が集まる公共の施設、また電気がコンピュータやインフラを制御するプラント等、
突然の停電に対処する非常用電源を確保するためのものです。
また災害発生時における、停電による二次災害を防止する非常用電源の確保として有効です。
この非常用発電機は、電気事業法上、発電所ではなく「常用設備の付帯設備」として扱われます。
移動用発電機には、土木・建設・道路工事などの現場で使用される移動が容易な「可搬型」と、移動型の通信施設用に使用される「車載型」があります。
これらの移動用発電設備は、平成17年6月1日付け「移動用電気工作物の取扱いについて」により運用されており、
従来の平成8年7月15日付け「移動用電気工作物の取扱いについて」(8資公部第161号)は廃止されました。
エンジン発電機は、設置形態によって「定置式」と「移動式」に分類されます。
定置式発電機は、ビルや工場、畜舎、養魚場等の非常用電源として、また離島や山間過疎地での常用電源として用いられています。
最近では、季節変動の大きい食品/水産加工工場や夏場のみの冷房設備、冬場のスキー場やレジャー施設などの電源として、
また受電契約を低く抑えるためのピークカット用や、コージェネレーション用の電源としても使用されるようになりました。
移動式発電機は、土木・建設現場の工事用電源や農林・水産業、各種イベントなどの電源として可搬型と、
検診車や通信中継車・TV中継車などの搭載された車載型のエンジン発電機があります。
エンジン発電機の出力は、発生する電圧(V)と発電機のコイルに流れる電流(A)の積(VA)で示されます。
発電機の出力(kVA)とエンジンの出力(kW)の間には発電機効率と力率が関係しており、力率は負荷によって値が異なるので、
エンジン発電機としての出力を設定する場合、単相発電機では力率を1.0、三相交流発電機では0.8と設定するのが通常です。
出力(kVA)=電圧(V)×電流(A)×0.001
(kW)=電圧(V)×電流(A)×力率(1.0)×0.001
※よって、kW=kVAとなります。
出力(kVA)=√3×電圧(V)×電流(A)×0.001
(kW)=√3×電圧(V)×電流(A)×力率(0.8)×0.001
※よって、kW=kVA×0.8となります。
必要出力に対して小さな出力のエンジン発電機を選定すると、
電圧が急激に低下したり、スイッチやリレーの動作不良や照明灯などのチラツキなど、思わぬトラブルに見舞われることがあります。
また逆に出力の大きすぎるエンジン発電機を選定すると、イニシャルコストやランニングコストが高くなり不経済となります。
そこで、エンジン発電機の出力算定の目安を以下の表に示します。
白熱灯/電熱器等 (抵抗負荷) |
蛍光灯/水銀灯 (ハロゲン負荷) |
ドリル/サンダ等 (交流整流子モータ) |
水中ポンプ/コンプレッサ等 (誘導電動機) |
|
始動時 | 1倍 | 2.1〜2.8倍 | 2.0〜3.0倍 | 3.0〜5.0倍 |
定常時 | 1倍 | 1.2〜1.8倍 | 1.3〜1.6倍 | 1.3〜2.0倍 |
※始動時…負荷が仕事をしている状態 ※定常時…負荷を入れた状態
単体では700kVA(50Hz)/800kVA(60Hz)ですが、
8台まで並列接続できるので、5600kVA(50Hz)/6400kVA(60Hz)まで対応できます。
24時間運転は可能ですが、燃料の補給等の作業が必要になります。
また、連続運転する場合、250時間毎を目安にオイル交換等のメンテナンスが必要になってきます。
機種・容量によりますので、まずはご相談ください。
単相出力の発電機をご使用ください。
三相出力の発電機の場合は、変圧器を用いて単相出力に変圧してください。
A重油燃料換算で燃料消費量50L/h以上のものについては、
経済産業省産業保安監督部へ、公害の防止に関する工事計画書を届出る必要があります。
また、電気設備装置は発電機容量に関係なく、設置前に消防署へ届出なければなりません。
・工事計画届出(工事着工30日前までに届出が必要)
1) 設置を必要とする理由書
2) 公害防止に関する工事計画書
3) ばい煙に関する説明書
4) 同上用 添付書類
・電気設備設置(変更)届出(工事開始3日前)
1)電気設備設置(変更)届出書
2)仕様書または説明書
(イ)仕様書または説明書
(ロ)位置図 (設置付近図)
(ハ)設置場所の平面図、立面図
(ニ)機器の配置図 (平面図、立面図)
(ホ)運転制御図 (シーケンス図)
(へ)負荷設備系統図 (単、3千結線図)
(ト)耐震計算書
(チ)容量計算書
・少量危険物貯蔵取扱届出
重油の場合、400L以上2000L未満、軽油の場合200L以上1000L未満を取扱う場合、工事着工前に届出。
1)少量危険物貯蔵、取扱届出書
2)添付書類・・・・・各市町村条例の規定による。
危険物 (重油の場合2000L以上、軽油の場合1000L以上) を貯蔵する場合、設置工事開始前に届出。
1)危険物貯蔵所(取扱所)設置許可申請書
2)タンク構造設備明細書
3)添付図面
(イ)付近見取図
(ロ)敷地平面図
(ハ)建物配置図(敷地平面図と兼用でも可、設備場所明記)
(ニ)一階平面図(通気管の立上り位置注油口の位置配管)
(ホ)設置を行う階屋の平面図(設置場所の明記)
(ヘ)設備の配管詳細図
(ト)タンク図
ヒーターの追加、燃料・エンジンオイル・冷却水等を寒冷地仕様に変更することで使用可能となります。
「国土交通省指定97年規制 低騒音型建設機械」このマークが掲載されている発電機は、
国土交通省が定める騒音基準値(98dB)※をクリアし、「低騒音型建設機械」として指定されています。「騒音規制法」に基づく、指定地域で使用可能です。
※超低騒音型建設機械の場合は92dBとなります。
一般的に、非常用発電機は常用ではないため、騒音規制法から除外されていることが多いですが、
自治体によっては、非常用発電機も騒音源であるとしている場合があるため、計画している地域の条例を確認しなければいけません。
別置きの燃料タンクを使用することは可能です。
ただし、燃料タンクを設置することにより、燃料の貯蔵量に関して消防法上規制がかかることがありますので、所轄消防署とご相談ください。
最大8台まで並列接続できます。
非常用発電機の燃料として広く使用されているものとして、軽油とA重油があります。
軽油は第2石油類の非水溶性液体ですから、指定数量は1000Lとなります。
A重油を採用する非常用発電機であれば、2000Lが指定数量となります。指定数量の0.2~1倍未満は少量危険物取扱所となります。
指定数量以上の場合は、一般危険物取扱所となります。
発電機単体の試運転、現場での運用方法での試運転です。
その他ご希望がございましたら、ご相談ください。
発電機の燃料消費量は、負荷率によって大きく変わります。都度ご相談ください。
(例)800kVAで75%運転の場合で約4~5時間、50%運転の場合で約6~7時間
原則として車上渡しになります。
レッカー等の手配、現地での積み下ろしは、恐れ入りますがお客さま側で行ってください。
尚、小容量の場合はユニックでの積み下ろしは可能です。
淀川変圧器の製品情報です。発電機について紹介いたします。