低圧乾式変圧器

1.耐熱クラスと絶縁階級、温度について

変圧器に使用された絶縁材料の耐熱特性によって分類された階級(下表参照)で、絶縁材料には、絶縁油、SF6ガスのほか、クラフト紙、プレスボード、マイカ、ガラス繊維、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂などさまざまな材料が使用され、それぞれ許容最高温度が定められています。これらの各種絶縁材料を使用することにより、油入変圧器の耐熱クラスはA、モールド変圧器はB、F、及びHが適用されています。

耐熱クラス 許容最高温度[℃]
A 105
E 120
B 130
F 155
H 180

 

2.結線の種類について

単相変圧器の結線
回路方式 結線 備考
1φ3W ●単相3線として2E(V)、E(V)同時、あるいはそれぞれ単独で使用可能
1φ2W   ●単相2線として2E(V)、E(V)をそれぞれ単独に使用可能
●1u1v、2u2vの2回路として使用は不可
1φ3W専用 ●単相3線として2E(V)、E(V)同時使用、E(V)だけの場合は2回路とする。
三相変圧器の結線

三相変圧器の結線は、一般に星形と三角形の組合せで形成され、角変位記号で表示する。
角変位は、三相変圧器の高圧側と低圧側の電圧位相の変位を表し、次の記号で表示する。

一般に採用されている三相結線と角変位をまとめると表のとおりである。

電圧ベクトル図 角変位 記号 結線図 適用
高圧側 低圧側
Yy0 ●50kVA以下で、中性点を引き出さないもの
30°遅れ Yd1 ●75kVA以上で、中性点を引き出さないもの
Dd0 ●低圧ー低圧変圧器など
30°進み Dy11 ●低圧側に中性点を引っ張りだすもの
スコット結線変圧器
ベクトル図
外部端子配列の例

3.50Hz仕様の変圧器は、60Hz地域で使用できますか?

はい、問題無く使用できます。
ただし、その逆(50Hz地域で、60Hz仕様の変圧器を使用すること)はできません。

4.必要な容量はどのように選定すればいいですか?

・3φの場合、ご使用になられる電流値×使用電圧×√3÷力率÷効率×余裕率
・1φの場合、ご使用になられる電流値×使用電圧÷力率÷効率×余裕率

※その他モータの起動電流なども考慮する必要がありますので、ご不明な際はご相談ください。

5.並列運転する際、どのようなことに注意すればよいですか?

変圧器容量、インピーダンス、電圧、結線、周波数を同じにしてください。

6.寿命は何年ですか?

具体的に何年というような寿命はありません。
日本電機工業会では20年を目安に更新を推奨しています。但し使用状況やメンテナンスによって変圧器の状態は異なります。
年数が経過すると、絶縁油や絶縁紙の劣化が予想され、短絡事故などを引き起こす可能性が高まりますので、
絶縁状態の定期的な確認と早めの更新をお勧めします。

7.過負荷で運転すると、どうなりますか?

変圧器の寿命が短くなり、最悪の場合は焼損してしまいますので、
正しい容量選定を行い、過負荷運転はお止めください。

8.トランスタップ電圧を変更したいのですが、どうすればよいですか?

感電事故やトランス破損などの事故・怪我に繋がるため、電気的知識が無い方の作業はお止めください。

9.オプションはどのようなものがありますか?

混触防止板、防振ゴム、ダイヤル温度計、車輪、ブレーカ等がございます。

10.440V/220Vの降圧用の変圧器を220V/440Vの昇圧用として使うことができますか?

はい、ご使用頂けます。

11.三相210Vを入力して単三210-105Vを出力したいがどうすれば良いですか?

スコット結線変圧器、または、逆V結線変圧器を推奨します。
状況によっては、単相変圧器で対応できる場合がございます。

淀川変圧器の製品情報です。低圧乾式変圧器について紹介いたします。